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森見登美彦「夜行」の紹介&感想!夜を渡り歩くファンタジー小説!

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ハロー、ゆとりです。
森見登美彦氏の作品が大好きな僕。先日のツイート。


「彼女はまだ、あの夜の中にいる」というキャッチコピーの通り、夜が舞台のファンタジー作品です。

雰囲気にダークさを感じ、これは読むしかない!と単行本を購入。

今回は「夜行」の紹介と、読んでみた感想を書いていこうと思います。


どんな作品?




森見登美彦「夜行」TVCM15秒



「夜行」は人気作家森見登美彦氏のホラー小説。

怪談×青春×ファンタジーと銘打つ本作は、2017年の直木賞にノミネートされました。

代表作「夜は短し歩けよ乙女」から二度目のノミネートですね。

普段のコミカルさは影を潜め、静謐で暗い雰囲気の中、夜を描いた絵画「夜行」に関する話が語られます。

あらすじ


僕らは誰も彼女のことを忘れられなかった。

 私たち六人は、京都で学生時代を過ごした仲間だった。十年前、鞍馬の火祭りを訪れた私たちの前から、長谷川さんは突然姿を消した。十年ぶりに鞍馬に集まったのは、おそらく皆、もう一度彼女に会いたかったからだ。夜が更けるなか、それぞれが旅先で出会った不思議な体験を語り出す。私たちは全員、岸田道生という画家が描いた「夜行」という絵と出会っていた。  旅の夜の怪談に、青春小説、ファンタジーの要素を織り込んだ最高傑作! 「夜はどこにでも通じているの。世界はつねに夜なのよ」                          (Amazon商品紹介より)



「夜行」という四十八作の連作絵画に纏わる不思議な話。
各章で順番に5人の登場人物が体験を語ります。
とある事情から奥さんを迎えに行く「尾道」4人で車の旅に出る「奥飛騨」。夜行列車からの風景を描く「津軽」。
電車で怪しい坊主と乗り合わせる話「天竜峡」。そして夜行の謎に迫る最終章「鞍馬」。


読んだ感想!



不思議で無気味な話の数々



第一話「尾道」と第二話「奥飛騨」は死を連想させる不気味な話です。

特に第一話ではホテルマンの男が非常に気持ち悪く、展開も強烈でとてもホラーしてます。
人を殴る描写があり「森見作品でここまで生々しく描写したことがあったか?」と思うほど。



幽霊なのか人間なのか、はたまた怪奇現象? とハッキリわからない出来事が次々と起こります。
僕も「このあと一体どうなるんだ…?」とビクビクしながら読み進めました。

一連の出来事のその後が描かれるかと思いきやほとんど触れられないため、暗くて先の見えない陰鬱さを感じさせました。


素晴らしい表現



天鵞絨のような黒」「夜の底で燦然と輝く」などの表現から想像できる情景は、作品の雰囲気を更に素晴らしいものにしています。




結末に賛否が分かれるが・・・



本作に関しては「結末がよくわからない」という意見が多く見受けられます。


明確に描かない演出は不気味さを強調しています。

各章での謎は解明されません。ただし夜行という主題に関しては読者の考察によって補完する作品だといえます。

アメコミのような、ハッキリした作品を好む方には合わないかもしれません。


読み解くカギは「長谷川さん」と「大橋さん」の対比にあり



あくまで個人的見解から
少しネタバレを含むので注意!

「長谷川さん」が消えてしまう「夜行」の世界と、大橋さんが消えてしまった「曙光」の2つの世界。

僕はこれらを比較し、それぞれの世界は何を表しているのか?と考えながら読んだところ、終わりにしっくりときました。
頻出のワードや共通の人物などに注目すると、更に作品を楽しむことができると思います。


まとめ



久々に森見氏の「きつねのはなし」や「宵山万華鏡」のようなホラー作品が読みたい!と思っていたところ、今作が来て個人的にはとても嬉しかった。

宵山万華鏡 (集英社文庫)

宵山万華鏡 (集英社文庫)



終始不気味な雰囲気が続きますが、同時に「清涼感」のようなものを感じて新鮮でした。

物語の始まるキッカケとなる「鞍馬の火祭り」は京都、夜、祭りという組み合わせが怪しさと神秘性を備え、 「祭り」が現実と幻想の境界として置かれているところに森見作品のソウルを感じます。

何より、順番に語る構成はとても効果的で、よい演出だと思いました。

怪談のようで、青春の爽やかさがあるファンタジー。言葉に表し難い読後感が、読者を「夜行」の世界に引き込んでくれるでしょう

癖はあるが、おすすめできる一作だと感じました。
今回は森見登美彦さんの小説「夜行」を紹介しました。

気になった方はぜひ読んでみてくださいね!

夜行

夜行




森見ファン必見!



あの代表作「夜は短し歩けよ乙女」がアニメ映画になります!
kurokaminootome.com



「小説 BOC3」にて森見登美彦氏の連載「シャーロックホームズの凱旋」が始まっています。ファンの方は要チェック! (2017年2月現在BOC 4発売中)

小説 - BOC - 3

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  • 作者: 伊坂幸太郎,朝井リョウ,天野純希,乾ルカ,大森兄弟,澤田瞳子,薬丸岳,吉田篤弘,他
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2016/10/19
  • メディア: 単行本
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